まさか?車いすに乗れない!!

公開日: : 最終更新日:2015/09/13 お知らせ, コラム, 親の介護

206c5dc014397365a0355c1712184310_s 父は車いすに乗れなかった。

  もちろん車いすにライセンスは必要ない。なんというかセンスがないのだ。体重の移動や体の置く場所、何もかもがチグハグで総合的にセンスがないと言うしかない状況をつくり出していた。介助してもらう父は心臓も悪かったため、車いすに乗って押してもらう方が、歩くよりは数段楽なのだと思うが、押している方はたまらない。

父はそんなに体が大きな方ではなかったが、大人の乗っているものを押すのにはそれなりに重い。それにプラスして体重移動などまったく考えていない。それでも肘掛けをしっかり握り、背もたれに体を預け普通に座っていてくれればいいのだが、なぜだか少し背もたれから背を浮かせ、肘掛けにつかまっている手に力を入れ、中途半端に前に重心をかけていた。押す側の希望としては、自走式(乗っている人が自分で車輪を回せるタイプ)の車いすなのだから、段差のところ等、少しくらい手を貸してもよさそうなのに、変なところに重心をかけ、座りっぱなしなのだ。家から歩いて10分程度のところにある神社にお花見やお祭り見物等に連れて行くだけで、重労働。次の日は体のあちらこちらが攣っているような、筋肉痛なような、トホホな感じとなる。

一度、父を車いすから落としたこともある。歩道の切り替えのとこにある数センチの段差を上るため、私が、車いすの後ろに重心をかけようとしたら、なんと父は前に重心をかけたのだ。一瞬何が起きたのかわからなかったが、どうも「段差を上がる」と声をかけたので、何を思ったのか、後ろではなく、前に重心をかけて前傾姿勢を取ったのだ。

‘普通は後ろでしょ!!’

父は父でわけのわからない理屈をぐちぐちといっていた。親子喧嘩になったのは言うまでもない。骨だけはとても丈夫だったようで、幸いけがはなかったが、父を車いすでどこかに連れて行くのはそれから、できれば遠慮したいこととなった。

職業柄、車いすを扱っていたし、車いすの体験等を行っても来たけれど、なんというかセンスのない人は、父以外にお目にかかったことはない。けれど、何事も体験である。もし機会があれば、車いすに乗ってみることをお勧めする。押すにしても乗るにしても、センスが問われるかもしれない。

実は私、車いすに乗って押してもらうのは苦手である。座った目の高さで普通に歩く速度で車いすを押されると、体感速度は思っていた以上に速く感じる。そして他動式(介助者に押してもらうタイプ)の車いすだと自分でのコントロールが及ばないのである。これは結構怖い。車いす介助をするときは相手を思いやる速度と声掛けを行いながら、コミュニケーションをとると気持ちも体も少しは楽になるかもしれない。

 

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