介護、その後 ~いつか来るその日のために~①
①年賀状のすすめ
師走になると急に年の瀬を感じる。毎年のこと。
そして、我が家の同じ会話。父が倒れて以来の。
「年賀状かな?」
季節の変わり目と冬は父が体調を崩し病院にお世話になることが多かった。
年賀状を作成して出せるのか?と危惧しなければならない状況になるので、年賀状に取り掛かるのは毎年、暮れが差し迫ってからのこととなる。
こちらの心配をよそに、一番張り切っていたのは自分では何もしない、具合が悪かったり、入院中だったりした父であった。パソコンの操作ができないのに、「データを入力しておけば管理は簡単だ!」とか、イラスト集を隅から隅まで念入りに見て、「このイラストで字はこちらのを大きさを変えて使う」だの「このイラストのこの部分だけを使いたい」だの面倒なことを言い出す。そして毎年、枚数を少なめにするといいながら、いざ印刷をする段になると、「やっぱりあの方にも、この方も出したい。」と数を次から次へと増やし、大幅に枚数を追加していた。
しかし、されど年賀状。一年に一度、お世話になった皆様のご様子と何より、住所を整理するのにとても助かる。そして葬儀の準備の時にも。
父の年齢になると、親交のある方々も鬼籍に入っておられる方も多く、葬儀も身内のみで済ませるつもりであったが、そうはいかないところも多々出てくる。
この方にはどうしても知らせたい。とか、個人的なお付き合いのため、かつての学校や職場等の誰からも連絡できない方等、付き合いの形は様々である。
父の世代になるとメールよりもやはり、手紙や電話の活用が主である。
「○○さんには知らせた方がいいけど、連絡先がわからない。」とか、父が書き留めていた住所録にある電話番号が、現在は使われていない方もいた。そこで父の部屋から古い年賀状を探しだし、住所から電話を調べたり、はがきでお知らせさせていただいた方もいる。
最近ではプライバシーの保護から様々な集まりでも名簿を作成しないことも多いし、SNS等様々な方法でつながっている方も多い。しかしやはり、手元に残るものが役立つ。
1年に1度、お世話になった方や友人を思い出すのも楽しいことだ。そして普段は面倒なのでやりたくはないが、住所等をまとめることも重要である。
嫌々パソコンに入力し、管理していた父関連の住所の一覧が、時間のない葬儀の準備に役に立った。だからこそ、もう少し年賀状でわかる情報を入力しておけばよかったと、後悔…、遅いけれど。
できれば年賀状の整理をする際、どのような関係なのか、自分が亡くなったときに連絡を入れるべきなのかを整理しておいてもらえると大変助かる。
縁起でもないことと、怒られるかもしれないが、付き合いの程は本人同士のみぞ知ることであるからだ。
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