仕事と介護~介護離職しないために~③
しかっかり元気なうちに方針を決める
家族の関係は他人にはわからない。介護が必要な状況になった時、親が深刻な病気になった時、亡くなった時等今までの様々なことが噴出してくる。こんな時だからこそ、今まで話せなかったことが一気に出てきて、裁判沙汰になったり、縁の切れ目になったりと、修復が難しい状況になってしまうことも多くあるようだ。
介護状態になってから最期の時までそしてその後と、本当にたくさんのことが出てくる。人が一人この世に別れを告げることは本当に様々な面で大変である。生きている時は、その人がいればそれで済んだことが、済まなくなる。
例えば、金融機関の関係、相続に絡んでは家族や親せき以外に相続に関係する人がいないか等々本当にいろいろな書類が必要だったり、わずらわしいことだらけ。
ドラマティックといえばそうなのだが、そうも言っていられない。そこで、元気な時から本人の意思と家族の思いを話し合っておいた方がいい。例えば認知症が出てからとなると、遺言や本人のウェルリビング等認められなくなる場合も出てくる。
話しにくいこともあるが後回しにしないで、整理するもの、家や土地も含めてどのようにするのか、どうしたいかを明確にしておいた方がいい。
介護にもいえることである。年金や財産をどのように使うのか。家族が介護をした場合にはどうするのか、施設へ入居の場合どの程度のどのような施設に入れるのか、等々、方針を決めておいた方がいい。
医療的なことも大切である。本人の意思を確認し、病気の告知や延命についてもそれぞれの考え方を確認しておくことも大事である。
もし欲しいものがあるならそれもはっきり言っておく。例えばあの着物をほしいと思っているとか、あの家具はどうするのか等々。
老いるということについて家族で勉強してみるのも一つではないだろうか。頭が固くならないうちに、そして介護状態にならない予防としても、家族とのコミュニケーションを活用してみては。
みんなできちんとオープンに方針を話して決めておく。一度決めたらそれきりではなく、それぞれの状況に合わせ方針を変えていく。うまくいかないことも多々出てくると思うが、コミュニケーションをとった時間が答えとなることもあるのではないだろうか。
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